ゲーミングPCでゲームを行う際は、ゲーミングPCのスペックによって発揮できる性能が異なります。当然ながら、価格が高いゲーミングPCはスペックも高いです。反対に、価格が安いゲーミングPCはスペックが低いといった特徴があります。
ゲーミングPCを購入するうえでは、価格帯によってゲーミングPCのスペックが異なるため、購入する際はスペックを重要視しましょう。本記事では、120,000円前後で購入できるゲーミングPCの性能や選び方を解説します。加えて、予算120,000円前後で購入できるゲーミングPCも含めてご紹介します。
12万円前後のゲーミングPCの性能は?

結論から申し上げると、フルHDをメインとしたゲーム性能であるため、ゲーミングPCの中では下位に属する価格帯となります。とはいえ、120,000円前後で購入できるゲーミングPCが非推奨というわけではありません。なぜなら、120,000円前後のゲーミングPCは販売されているモデルが多いため、種類を選びやすいといったメリットがあるためです。
また、搭載しているスペックによっては、フレームレートを大きく向上できたり、処理速度が速かったりするため、基本的なゲームやoffice作業などをストレスなく十分に行えます。
ゲーム性能
基本的に、100,000円以上のゲーミングPCは解像度がフルHDです。解像度とは、簡潔に言うと画像の密度のことです。解像度は大きく4つに分類すると、
- フルHD(1920×1080)
- WQHD(2560×1440)
- 4K(3840×2160)
- 8K(7680×4320)
が存在しており、解像度が高ければ画像の密度が濃くなるため、細部までくっきりとした映像を映し出せます。
ゲーマーの方に使用されている解像度は主に、フルHD(1920×1080)です。Steamの統計データによると、WQHD(2560×1440)は9.68%、4K(3840×2160)は2.29%、フルHDは(1920×1080)67.46%とずば抜けて高い傾向にあると言えます。
なお、要求スペックが低いゲームの場合は、低画質144fpsでプレイ可能です。反対に、要求スペックが高いゲームの場合は、フルHDでも60fpsの確保が難しいと言えます。fps(フレームレート)は、「frames per second」の略語で、1秒間に出力する画像の枚数を表す単位のことです。フレームレートには、1fps、3fps、24fps、25fps、30fps、50fps、60fps、120fpsなどがあり、60fpsは1秒間に60フレーム(60コマ)で記録されることを表します。
また、フレームレートが高くなると「残像」を減らすことが可能です。残像とは、1つ前のフレームに出力された画面情報が残って見えてしまうことです。低フレームレートでは、1秒間に更新できる画像枚数が少ないため、次の1枚へ画面が切り替わるときの情報の更新される差が大きくなります。
そのため、高フレームレートであれば、1秒間の表示に使用される画像枚数が増えて、次の1枚へ切り替わるときの情報の更新される差は少なくなります。フレームレートが高ければ高いほど動画の滑らかさなどにも大きく影響し、快適にゲームを行うことが可能です。
なお、FSR対応ゲームの場合は、高フレームレートでゲームを行えます。FSR「FidelityFX Super Resolution」とは、米AMD社が提供している動画像の超解像技術のことです。3Dグラフィックスを低解像度でレンダリングし、引き伸ばして広い画面に出力することによって画質とフレームレートを両立できるといったメリットがあります。
基本的に、ゲーミングPCの相場は200,000円前後であるため、安価なゲーミングPCの解像度やフレームレートなどに期待はしないようにしましょう。
その他PC作業
次に、動画編集の速度やゲーム配信の安定度を決めるCPU性能については、一般的な事務作業などはまったく問題なく行えます。しかし、画像編集や動画編集などのクリエイティブ作業を行いたい場合は、価格帯的に難しいと言えるでしょう。
また、通常のPCと比較した際は、ゲーミングPCの方が処理性能が高いCPUが選ばれています。CPUメーカーにはインテルとAMDの2種類があるものの、ゲーム用途にはインテルのCPUが良いと言われており、ゲーミングPCには大容量のメモリも搭載されています。なぜなら、ゲームを行う際はメモリ容量を必要とするゲームが多いからです。
なお、画像や動画編集などのクリエイティブ作業を視野に入れている方は、下記の記事にて、画像・動画編集もできるゲーミングPCについて紹介しているため、ぜひ参考にしてご覧ください。
編集もできるゲーミングPC5選!必要スペックと実況についても解説
12万円前後のゲーミングPCの選び方

ここでは、120,000円前後で購入できるゲーミングPCの選び方を解説します。結論として、下記のような選び方です。
- グラボを中心に考える
- メモリは最低でも16GB以上
それぞれ順番に解説します。
グラボを中心に考えよう
はじめに、ゲーミングPCに搭載しているグラフィックボードのスペックを重要視しましょう。グラフィックボードとは、パソコンの映像や画像をモニター(ディスプレイ)に表示する機能を備えており、どのパソコンにも欠かせないパーツの1つです。
一方で、一般的な用途のパソコンは、基本的にオンボードグラフィックス機能のみを搭載しています。そのため、機能的や性能的など、ゲーム向きで無いものが多く存在しているため、ゲームを快適に行えません。
また、スペックの低いPCでは3Dグラフィックのゲームを行う際に、画面がチラついたり操作が遅延したりなど、動きが不安定になる場合もあります。そのため、高度な映像処理が必要なゲームにおいては、特に重要なパーツになります。最低でもGTX1650〜 / RTX3050〜あたりを搭載しているグラフィックボードを選びましょう。
メモリは16GB以上
次に、データを一時的に記憶するメモリ(RAM)です。PCが計算処理や、諸々の作業を行い、CPUが処理するデータを一時的に保存する場所になります。メモリのギガバイト数が大きければ大きいほど、高速のシステムスピード、シームレスな応答性、高速のフレームレートを実現する能力が高い傾向にあります。
また、ゲーミングPCでは、大容量のメモリが搭載されていることが一般的です。理由としては、最新のゲームタイトルではメモリの容量が不足すると、快適なゲームプレイからかけ離れてしまうからです。反対に容量が大きければ、多くの作業を同時に処理が行えるため、最近のゲーミングPCでは16GB以上のメモリを搭載しています。そのため、120,000円前後のゲーミングPCを選ぶ際は、16GB以上を搭載しているメモリを選びましょう。
予算12万円で買えるおすすめゲーミングPC

ここからは、予算120,000円程度で購入できるおすすめゲーミングPCを3つ程度ご紹介します。結論として、下記のゲーミングPCです。
- Lightning AH5
- G-Tune PL-B-MA
- Magnate MT
それぞれ順番にご紹介します。
Lightning AH5
1つ目の「Lightning AH5」は、100,000円程度で購入できるため、コストの安いゲーミングPCです。CPUはRyzen 5 4500を搭載しており、ゲームを行ううえでまったく問題のない性能です。GPUは、ローエンドのGeForce GTX 1650を搭載しており、ゲームによっては高リフレッシュレートを出力できるといった特徴があります。
フルHD解像度であればフォートナイトやPUBGなどをプレイできるため、軽いゲームを行う場合はほぼすべて問題なくプレイ可能です。ストレージは500GB NVMe SSD、メモリは16GBを使用しており、Web検索(閲覧)や事務的な作業、解像度を調整すれば人気の3Dゲームまで幅広く対応できるゲーミングPCになります。
コスパを重視している方や、その他周辺機器も含めて予算120,000円以下で抑えたい方は「Lightning AH5」を選びましょう。
G-Tune PL-B-MA
2つ目の「G-Tune PL-B-MA」は、130,000円程度で購入できるマウスコンピューターのゲーミングPCです。マウスコンピューターとは、ゲーミングPCのネット販売で有名な会社のことです。マウスコンピューターが取り扱っているゲーミングPCの特徴としては、PCケースが洗練されており、実用性に優れているといった特徴があります。また、見落としやすい各種パーツの品質を重視しているため、パーツ知識がない方でも安心して購入できると言えるでしょう。
グラフィックボードは、「Lightning AH5」と同様にGTX1650が搭載されています。現行世代のグラフィックボードの中では、最もリーズナブルな価格帯であるため、価格を抑えたい方に人気のグラフィックボードです。
加えて、「G-Tune PL-B-MA」に搭載しているストレージも優秀になります。ストレージとは、ゲームのプログラムや画像、動画といったデータを保存できる装置です。ストレージドライブは不揮発性であるため、パソコンの電源を切ってもデータが保存されるといった特徴があります。
また、転送速度が速いストレージを搭載することによって、ゲームのロードといった待ち時間が短縮され、快適にゲームを行えます。データ容量を多く使用するゲームを遊びたい方は、容量が多く搭載しているストレージを選びましょう。なお、ゲーミングPCに搭載しているストレージには、HDD、SSD、M.2 SSDの3つ程度が存在します。
HDD
HDDは「Hard Disk Drive」の略語です。プラッターと呼ばれるデータを記録するディスクが入っており、容量が大きい程プラッタの枚数も多くなります。プラッターのデータを読み書きする磁気ヘッドと、プラッターの間にはわずかに隙間があり、動作中のプラッターは高速で回転しています。
SDD
SSD(ソリッドステートドライブ)とは、HDDと比べて小型や軽量など、転送速度の速さが特徴のストレージのことです。SSDは衝撃に強い特徴があるため、万が一PCにものがぶつかったり転倒してしまったりしても、データ消失の心配はありません。
M.2 SSD
最後のM.2 SSD(エムドットツー)とは、コンピュータに内蔵される拡張カードにおいて接続端子となる規格のことです。SSDというデータを読み書きできる記憶装置の接続方式の種類の一つです。
なお、「G-Tune PL-B-MA」に搭載しているストレージは、512GBのM.2 SSDです。そのため、通常のSSDと比較した場合は高速な処理速度であるため、PCの動作が高速になるといった特徴があります。また、ゲームの起動やロード時間がHDDよりもかなり短くなるため、ゲームを快適にプレイ可能です。
価格は130,000円程度で購入でき、トータルバランスに優れたゲーミングPCであるため、どのゲーミングPCを選んで良いのか分からない方は、「G-Tune PL-B-MA」を購入しましょう。
Magnate MT
最後の「Magnate MT」は、130,000程度で購入できるうえにグラフィックボードの性能が高いゲーミングPCです。CPUは、Core i5-12400とGTX 1660 SUPERを搭載したモデルであるため、設定を下げることによってApex Legendsやフォートナイトのような人気タイトルを高リフレッシュレートで行えるといった特徴があります。
また、グラフィックボードのGTX1660 SUPERは、NVIDIA TuringGPUアーキテクチャを採用したグラフィックスを再創造する新しいGeForceです。パフォーマンスの向上に加えて、「プログラマブル シェーディング」が統合されています。また、DirectX 12への対応や、WQHDのHDRゲーミングに最適化されているため、最新の人気のゲームを高解像度の映像で楽しめるといった特徴があります。
なお、「Magnate MT」はミニタワーケースを採用しており、サイズがコンパクトです。ミドルタワーケースのMonarchと比較した場合は、一回り小さいといった特徴があります。コンパクトなボディであるものの、ミドルスペックの構成が可能であるため、フルHDで負荷が重めのゲームにも快適に動作可能です。そのため、十分なパフォーマンスが発揮できるといったメリットがあります。
ゲーム性能を求めたい方や、パフォーマンスを十分に発揮したい方は「Magnate MT」の購入を推奨します。
また、下記の記事にて、総合的におすすめのゲーミングPCをご紹介しているため、本記事と併せてご覧ください。
ゲーミングPC おすすめ(準備中)
格安のゲーミングPCを選ぶ際の注意点

ここでは、価格が安いゲーミングPCを選ぶ際の注意点を解説します。結論として、下記のような注意点になります。
- 中古は避けよう
- ノートPCよりもデスクトップ
- 価格だけで判断しすぎない
それぞれ順番に見ていきましょう。
中古は避けよう
価格が安いゲーミングPCを購入する場合、中古品は止めましょう。理由としては、パーツが古いため寿命が短かった場合は、お金を無駄にする可能性があるためです。BTOでゲーミングPCを安く構成する際には、中古PCのリノベーションが販売されています。中古品ではあるものの、性能は多少高くなるといった傾向があります。しかし、パーツが入り乱れているため、初心者の方の方は性能が分かりづらいです。
加えて、新品と比較した場合は故障のリスクが上がるといったデメリットもあるため、中古品の購入はあまりおすすめしません。万が一購入する場合は、危険性があることを認識したうえで、リノベーションPCを選びましょう。加えて、保証期間もしっかりと確認したうえで購入してください。
ノートPCよりもデスクトップ
次に、ゲーミングPCを購入する際はノートPCよりもデスクトップPCを選びましょう。なぜなら、ノートPCはコスパが悪いからです。1つ目の理由としては、デスクトップPCと比較して、ノートPCはディスプレイが小さく、発熱しやすくなっています。基本的に、デスクトップとノートPCは共通して、性能が良くなるほど価格も高くなります。しかし、同スペックのデスクトップPCとノートPCの価格を比較した場合は、ノートPCの方が価格が高くなるといった特徴があります。
2つ目の理由は、デスクトップ型PCの方が全体的に高性能ということです。デスクトップPCは、冷却時に使われるファンの回転が少ないため、静音性が高いことが特徴です。そのため、静かにゲームを楽しみたい方はデスクトップPCの購入を推奨します。
なお、ノートPCであればファンが2つ搭載されているものの、デスクトップPCであれば、CPUクーラーのファンが1個、GPUのファンが1~3個、ケースファンが2~3個、電源ユニットのファンが1個とファンが多く搭載されています。つまり、ノートPCと比較して、快適な環境でゲームプレイが可能です。
最後の理由は、デスクトップ型PCの方がノート型PCと比較して熱対策にも優れていることです。パフォーマンスの上限や冷却性能が高いうえに、静音性にも優れているといった特徴があります。ゲームを行ううえで冷却性能が高ければ、長時間にわたってパフォーマンスを維持できるメリットがあります。
これらを踏まえると、ノート型PCよりもデスクトップ型PCの方が優れているため、同じ性能であればデスクトップ型PCを購入しましょう。
価格だけで判断しすぎない
最後に、安いゲーミングPCを購入する際の注意点として、価格で判断するのは止めましょう。基本的に、ゲーミングPCは全体的にスペックが高い傾向があるため、通常のPCと比較して価格が高いと言えます。
普通のPCの相場は、50,000円〜100,000円が一般的です。一方で、ゲーミングPCの相場は、100,000円〜200,000円の費用がかかってしまうため、比較的価格が高い傾向にあります。また、ゲーミングPCにはグラフィックボードを搭載しているため、高いフレームレートに設定するほどゲームの映像は滑らかになります。
そのため、ゲーミングPC専用のApexやフォートナイトなどといった高速な描画処理を求められる3Dゲームはプレイできません。また、家庭用ゲーム機と比較した場合は、ゲーミングPCの方が高フレームレートや、高解像度なグラフィックを出力できるといった特徴があります。
しかし、価格ばかりを求めて購入してしまうと、プレイしたいゲームができない場合もあります。なぜなら、ゲーミングPCのスペックによってプレイできるゲームが異なるからです。そのため、ゲームを購入する際はプレイしたいゲームの公式サイトを訪問して推奨スペックを必ず確認しましょう。プレイしたいゲームや、ゲーミングPCの使用用途を決めたうえで、ゲーミングPCを購入してください。
また、価格だけで判断しないためにも下記の記事にて、様々な観点から自分に合ったゲーミングPCの選び方についてご紹介しているため、ぜひ参考にしてご覧ください。
記事のポイントのまとめ
本記事では、120,000円程度で購入できるゲーミングPCの性能や選び方を解説しました。結論として、自分の使用用途や、プレイしたいゲームに合わせてデスクトップ型ゲーミングPCを購入しましょう。
なぜなら、使用用途によって異なるものの、同スペックである場合は、デスクトップPCの方がコストパフォーマンスが高い傾向があるためです。そのため、ゲームを進めるにあたって有利になる傾向があり、勝ちやすいと言えます。
なお、下記の記事にて、一回り上のゲーミングPCについてご紹介しているため、そちらも本記事と併せて参考にしてください。