【モニターの黒挿入とは?必要性やデメリット】おすすめの黒挿入モニター3選も紹介

ゲームをする男性

ゲームを行う際には、ゲーミングモニターが必要になります。しかし、ゲーミングモニターの応答速度が遅い場合は残像が生じるため、モニターの黒挿入を行うことによって残像の軽減が可能です。

本記事では、黒挿入の概要や、モニターの黒挿入によるデメリットなどを解説します。

目次

モニターの黒挿入について

ゲーミングPCとモニター
モニターの黒挿入について

はじめに、モニターの黒挿入について詳しく解説をします。

結論として、黒挿入を行う場合は、モニターの応答速度によって引き起こる「残像」が軽減するため、快適にゲームを行えるといったメリットがあります。

そもそもモニターの黒挿入とは?

高リフレッシュレートモニターの中には、「黒挿入(モーションブラーリダクション)」と呼ばれる機能が存在します。黒挿入とは、残像を軽減させる機能のことです。残像とは、モニターの応答速度によって引き起こる現象のことです。加えて、モニターとリフレッシュレートの関係性によっても残像に大きく影響します。

リフレッシュレートは、1秒間に何回モニターを更新できるかを示しており、単位はHz(ヘルツ)です。なお、PCモニターにはfps(Hz:リフレッシュレート)と呼ばれるフレームレートが搭載しており、主に60FPS(60Hz)、120FPS(120Hz)、144FPS(144Hz)、240FPS(240Hz)などがあります。

リフレッシュレートはPCゲームの「フレームレート(単位:fps)」を決める重要な要素です。そのため、リフレッシュレートの高いゲーミングモニターほど、綺麗で滑らかな映像描写が可能です

例として、60Hzモニターは1秒に60回モニターを更新します。この場合、1フレーム(モニターを更新する1回あたりにかかる時間)は、「1,000ms ÷ 60回 ≒16.67ms」となります。

そのため、16.67msを超える応答速度では画面の更新と色の切り替えが一致しないため、確実に残像が引き起こります。つまり、60Hzのモニターの応答速度は16.67ms以下でなければなりません。

また、人の目は色んな色を認識しており、同時に色の錯覚も起こしています。たとえば、明るい電球(白色)を見たあとに他の場所を見ても目がチカチカするため、白っぽく見えます。

これらを踏まえると、モニターを見ても同じような現象が起こり、赤→青の変化では薄っすら赤色が残ったまま青色を認識していると言えます。つまり、錯覚を引き起こす原因は、ホールドボケ(残像感)と呼ばれるものです。

黒挿入の必要性

モニターの黒挿入を行うことによって、速い動きのスキルや敵のモーション、カメラを動かした際に感じるボケ感や残像などを低減します。そのため、FPSゲームを行う際にはリコイル制御が正確になるため、勝ちやすくなるといったメリットがあります。モニターに映る画面をハッキリとさせたい方にとって必要な機能と言えるでしょう。

一方で、モニターの黒挿入を行うことで生じる、発色が悪くなるといったデメリットも存在します。また、画面が暗い場合は、目が疲れやすくなったり遅延したりといった欠点もあるため、普段使用しない場合は、黒挿入をオフにしておきましょう。

モニターの黒挿入で残像を軽減させる原理

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モニターの黒挿入で残像を軽減させる原理

画面を高速点滅させることによって、1フレームごとの画面の変化が分かりやすくなるため、残像の軽減に繋がります。多くの場合、画面を高速点滅させる機能はモニターのバックライトを点滅する方法が一般的です。

なお、黒を挿入する際は1フレームの表示時間は減ります。基本的に、144Hzのモニターの場合は1秒間に144枚の映像で構成されます。つまり、60Hzなら1秒間に60枚、240Hzなら1秒間に240枚となります。

しかし、実際は144Hzの場合は288Hzにコマ数を増やしているため、1フレームの時間を短くしているわけではありません。そのため、フレームドロップする恐れや映像に対する支障はまったく問題ないと言えます。

モニターの黒挿入によるデメリット

ゲーミングPCとモニター
モニターの黒挿入によるデメリット

上述の通り、モニターの黒挿入を行うことによって、デメリットも存在します。結論として、黒挿入のデメリットは主に3つ程度存在します。

モニターの黒挿入によるデメリット
  • 画面が暗くなる
  • 目が疲れやすくなる
  • 遅延が発生してしまう

それぞれ順番に解説します。

画面が暗くなる

はじめに、バックライトが点滅することにより、通常時よりも暗く映るといったデメリットが存在します。人それぞれの感じ方によって異なるものの、基本的には画面が明るい方が見やすいと言えるでしょう。

視認性が下がり発色も悪くなるため、ゲーム中の敵が視認しづらくなったり、エイムをうまく合わせにくくなったりする可能性もあると言えます。そのため、逆に見にくくなってしまう方は黒挿入を切りましょう。

次に、画面が暗くなるにつれて目が疲れやすくなったり、長時間プレイに支障をきたしたりする場合もあります。基本的に、PCモニターにはフリッカーフリーという技術が備わっており、ちらつきを抑えるものです。しかし、モニターの黒挿入を行うことによって、フリッカーフリーの効果が無くなります。

フリッカー(flicker)とは、蛍光灯やブラウン管を用いたディスプレイに生じる細かいちらつき現象のことです。フリッカーの生じているディスプレイを長時間使用した場合は、疲労やめまい、吐き気などに繋がります。

加えて、目の疲れだけではなく頭痛やめまい、肩こり、ストレスなどにも繋がるため、長時間の使用は健康を損なうリスクも存在します。そのため、長時間ゲームを行う際には、十分に注意が必要です。

遅延の原因となる

最後は、モニターに黒挿入を行うことによって遅延が発生するデメリットも存在します。

理由としては、黒挿入によって引き起こるバックライトの点滅のためです。つまり、1フレーム表示する間に黒挿入するため、黒挿入分が遅延の原因となります。

メーカーによって多少異なるものの、基本的には同じ原理であるため、黒挿入を使わないゲーマーの方も存在します。

簡単にメリット・デメリットを下記にまとめます。

黒挿入のメリット
  • 残像カット
  • くっきり見やすくなる
  • 見逃すリスクが減る
黒挿入のデメリット
  • 輝度が下がる
  • 目が疲れる
  • 遅延がある

これらを踏まえたうえで、次の章ではモニターの黒挿入をおすすめするゲームを解説します。

黒挿入モニターはFPSゲームをプレイする方におすすめ!

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黒挿入モニターはFPSゲームをプレイする方におすすめ!

結論から申し上げると、黒挿入モニターはFPSゲームをプレイする方におすすめです。

理由としては、FPSゲームなどのシューティングゲームは、モニターの黒挿入を行うことによってリコイル制御が正確になるため、エイムしやすいといった理由です。

また、FPSゲームを快適に行ううえでは、モニターのリフレッシュレートも重要になります。

リフレッシュレートとは、単位時間あたりにどれだけリフレッシュ(更新)するかの値のことです。加えて、液晶モニターの場合は1秒間に何回画面を更新できるかを示します。そのため、リフレッシュレートが高いモニターの場合は残像も軽減されるため、シューティングゲームなどの撃ち合いにおいて有利になると言えます。

なお、ゲーミングPCに搭載しているGPU(グラフィックボード)によるfpsの数値によっても映像に影響が生じます。

fps(フレームレート)は、「frames per second」の略語で、1秒間に出力する画像の枚数を表す単位のことです。フレームレートには、1fps、3fps、24fps、25fps、30fps、50fps、60fps、120fpsなどがあり、60fpsは1秒間に60フレーム(60コマ)で記録されることを表します。

加えて、フレームレートに比例してプレイヤーの反応速度も上がります。そのため、FPSのような対戦ゲームでは、フレームレートが高い方が有利にゲームを進めることが可能です。なお、Apexやフォートナイトなどは「FPSゲーム」と表現されますが、ここで言うFPSは「ファーストパーソン・シューティングゲーム」のことであるため、混同しないように注意しましょう。

また、フレームレートが高くなると残像を減らすことが可能です。

低フレームレートの場合は、1秒間に更新できる画像枚数が少ないため、次の1枚へ画面が切り替わるときの情報の更新される差が大きくなります。一方で、高フレームレートの場合は1秒間の表示に使用される画像枚数が増えて、次の1枚へ切り替わるときの情報の更新される差は少なくなります。

つまり、フレームレートが高いほど近距離戦闘がしやすくなり、反応速度なども上がるため、追いエイムしやすくなるというメリットがあるということです。一発が大きいショットガンを握った者同士の出会い頭勝負など、そういった場面では大きく勝敗を分けるのがfpsとなります。

FPSゲームをあまりプレイしない方やそもそも高フレームレートを出力できないゲーミングPCをお持ちの方は、黒挿入によるデメリットが多いため、使用しないように注意しましょう。

なお、FPS用のゲーミングPCを持っていない方や、Apex・フォートナイトを始めたい方は下記の記事にてご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

ApexLegendsを始めたい人におすすめのゲーミングPC解説【初心者向け】

フォートナイト ゲーミングPC おすすめ(準備中)

おすすめの黒挿入モニターを3選紹介

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おすすめの黒挿入モニターを3選紹介

ここでは、黒挿入機能を搭載しているモニターを3つ程度ご紹介します。結論として、下記のモニターです。

おすすめの黒挿入モニター
  • BenQ ZOWIE XL2411K
  • BenQ ZOWIE XL2546K
  • Pixio PX248 Prime

それぞれ順番にご紹介します。

BenQ ZOWIE XL2411K

「BenQ ZOWIE XL2411K」は黒挿入機能を搭載しているゲーミングモニターです。

価格は30,000円程度で購入でき、フレームレートは安定して144fpsを出力することができるため、ApexやフォートナイトなどのFPSゲームを行うことが可能です。また、黒挿入機能をONにしても、画面の明るさがほとんど落ちないといった特徴があります。

「BenQ ZOWIE XL2411K」のスペックは下記の通りです。

サイズ24.5インチ
パネルTN
解像度フルHD(1920 x 1080)
リフレッシュ
レート
144Hz
応答速度1ms(GtG)
入力端子DisplayPort 1.2 x 1HDMI 2.0 x 1HDMI 1.4 x 2
HDR機能なし
スピーカーなし
スタンド高さ調整前後角度調整首振りピボット
VESAマウント対応

「BenQ ZOWIE XL2411K」は、滑らかなゲームプレイを楽しめる144Hzリフレッシュレートや応答速度1ms(GtG)を搭載しているため、ストレスなくゲームを行えるゲーミングモニターです。加えて、暗いシーンでの視認性を高めるBlack eQualizer機能や、索敵がしやすくなるColor Vibrance機能なども搭載してるため、FPSゲームでは有効に進めるでしょう。

また、「BenQ ZOWIE XL2411K」には「アイシールド」と「S.Switch(有線リモコン)」のオプションを搭載しています。

「アイシールド」とは集中力を高める効果のことです。一方で、「S.Switch」とは全ての設定操作を手元でできるといった機能のことです。特に「S.Switch」は、入力切替や保存した画質プロファイルを瞬時に切り替えられるため、速度を重視している方におすすめと言えます。

「BenQ ZOWIE XL2411K」は、下記のような方に推奨です。

  • FPSゲームで強くなりたい方
  • プロゲーマーを目指している方
  • 安価にDyAcを使いたい方

価格は30,000円程度で購入できるため、「FPSゲーム専用モニター」として使用するのが最適と言えるでしょう。

BenQ ZOWIE XL2546K

次に、「BenQ ZOWIE XL2546K」は、「BenQ ZOWIE XL2411K」の上位版モデルになります。

価格は60,000円弱で購入でき、リフレッシュレート240Hz対応、応答速度が0.5msなど、プロ向け仕様のゲーミングモニターです。また、「BenQ ZOWIE XL2546K」も黒挿入機能をONにした場合は、画面の明るさがほとんど落ちないといった特徴があります。

スペックは下記の通りです。

サイズ24.5インチ
パネルTN
解像度フルHD(1920 x 1080)
リフレッシュ
レート
240Hz
応答速度0.5ms(GtG)
入力端子DisplayPort 1.2 x 1HDMI 2.0 x 3
HDR機能なし
スピーカーなし
スタンド高さ調整前後角度調整首振りピボット
VESAマウント対応

「BenQ ZOWIE XL2546K」には「TNパネル」を搭載しており、白から黒へ色を変える速度が速いといった特徴があります。そのため、残像が残りにくく、FPSのゲームに最適と言えるゲーミングモニターです。

また、スタンドの台座とアームには、設定位置を覚えておくための「メモリ」を搭載したり、背面には収納可能なヘッドホンフックなども搭載したりと利便性が非常に高いと言えます。加えて、背面には取っ手が付いているのでe-Sports会場などへ持ち込んでも設置することも可能です。

スタンドは可動範囲が広く、ユーザーの使い勝手を徹底的に配慮した設計となっているため、多機能なスタンドと言えるでしょう。

「BenQ ZOWIE XL2546K」は、下記のような方に推奨です。

  • DyAc+を使いたい方
  • FPSゲームで強くなりたい方
  • ハードゲーマー/プロゲーマー
  • 最高のゲーミング環境が欲しい方

FPSゲームに特化した設計や数々のこだわり機能を考慮すると「究極のゲーミングモニター」と言えます。

Pixio PX248 Prime

最後に、「Pixio PX248 Prime」はコスパを重視している方に最もおすすめのゲーミングモニターです。

価格は20,000円前後で購入でき、23.8インチのフルHD(1920 x 1080)でありながら、リフレッシュレート144Hzに対応したゲーミングモニターになります。応答速度1msといったゲーミングモニターの基本をしっかり押さえつつ、スピーカーも内蔵しているため、ゲームを行ううえでは申し分ないと言えるでしょう。

加えて、高性能モニターには必須の「カクつき・チラつき」を抑えてなめらかな映像を実現する「G-Sync Compatible/FreeSync」「フリッカーフリー」も搭載しているため、低価格で高性能と言えるゲーミングモニターです。

スペックは下記の通りです。

サイズ23.8インチ
パネルIPS
解像度フルHD
リフレッシュ
レート
144Hz
応答速度1ms
最大輝度400nits
sRGBカバー率103%
入力端子DisplayPort x 1(144Hz)HDMI 2.0 x 1(144Hz)HDMI 1.4 x 1(120Hz)
スピーカー2W

「Pixio PX248 Prime」は、視野角の広いIPSパネルを採用しているため、極めて美しい映像でゲームを楽しめます。また、省スペースなスリムデザインによって、2台並べて使用するマルチモニターにも最適と言えるでしょう。

先述の通り、リフレッシュレート144Hzに対応しているため、FPSゲームなどではヌルヌル動いてエイム(照準)を合わせやすく有利に進めます。応答速度は、1msと高速であるため、競技性の高いFPSゲームから雰囲気を楽しむRPGなど、あらゆるジャンルのゲームを快適にプレイ可能です。

また、標準状態の場合でも残像感の少ないものの、オーバードライブ機能をONにした場合は、極限までブレを抑えられるといった特徴があります。しかし、フレームの間に黒いフレームが挿入されるため、画面の明るさが落ちるといったデメリットが生じます。そのため、対戦ゲームでどうしても勝ちたいときにオーバードライブ機能を使用しましょう。

「Pixio PX248 Prime」は、下記のような方に推奨です。

  • 安くても性能に妥協をしたくない方
  • FPSゲームを初めてみたい方
  • コスパを重視している方

初めてゲーミングモニターを購入する方やどれを選べばいいか分からない方に最もおすすめです。

なお、黒挿入モニターに限らず、下記の記事にて、あらゆる観点からまとめたモニターについてご紹介しているため、本記事と併せてご覧ください。

ゲーミングモニターのおすすめ7選【選び方のポイントや注意点も徹底解説】

記事のポイントのまとめ

本記事では、黒挿入の概要やおすすめの黒挿入モニターを解説しました。

結論として、初心者の方やどれを選べば良いか迷っている方は、「Pixio PX248 Prime」がおすすめです。低価格で購入でき、FPSゲームを快適に行える性能はすべて揃っているため、当サイトが最もおすすめするゲーミングモニターになります。

なお、黒挿入モニターに限らず、下記の記事にて、あらゆる観点からまとめたモニターについてご紹介しているため、本記事と併せてご覧ください。

ゲーミングモニターのおすすめ7選【選び方のポイントや注意点も徹底解説】

本記事を参考にして、自分の使用用途に合わせたゲーミングモニターを選び、快適なゲーミングライフを送りましょう。

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