ゲーミングモニターを購入する際に、解像度が重要視されます。解像度は大きく4つに分類すると、フルHD(1920×1080)WQHD(2560×1440)4K(3840×2160)8K(7680×4320)です。
本記事では、WQHD(2560×1440)のゲーミングモニターについて詳しく解説します。加えて、WQHDゲーミングモニターの選び方や選ぶ際の注意点なども解説します。
WQHDゲーミングモニターについて

ここでは、WQHDゲーミングモニターについて詳しく解説をします。簡潔に言うと、WQHDゲーミングモニターとは、WQHD(2560×1440)の解像度のことです。解像度によってそれぞれの特徴や性能などが異なります。
そもそもWQHDとは?
はじめに、テレビやディスプレイの性能を表す指標に「解像度」が存在します。
解像度とは、簡潔に言うと画像の密度のことです。たとえば、同じ24インチのディスプレイの場合でも、解像度が高ければ画像の密度が濃くなるため、細部までくっきりとした映像を映し出せます。
WQHDとは、画面解像度の一種で「Wide Quad-HD」の略語のことです。解像度は「2560×1440」であるため、一般的なモニターのフルHDの「1920x1080」と比較した場合は、画質が滑らかで美しく見えるなどの特徴があります。
臨場感溢れる映像を体験
WQHDのメリットは、フルHDと比較した場合、くっきりとした映像が表示できることです。
そのため、写真を拡大して細かな補正を行う場合や、高解像度の映像を楽しむにはフルHDよりもWQHDのディスプレイが向いており、ゲームにのめり込みやすくなるといった特徴があります。
また、複数のウィンドウを小さなサイズで開いた場合でも、文字や画像などが鮮明に表示されるため、マルチタスクを行う方にとっても最適なディスプレイと言えます。たとえば、ゲームをプレイしながらゲーム実況動画を配信したり、動画配信をしたりする方にもおすすめです。
4K解像度には無い魅力
4KゲーミングモニターとWQHDゲーミングモニターの違いとして、画質の違いがあります。当然ながら、4Kの場合はフルHDやWQHDと比較した場合、高画質の映像を楽しめます。そのため、ゲームをプレイするうえでは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、解像度が大きい程、グラフィックボード(GPU)への負荷が増加してしまうデメリットも存在します。理由としては、解像度が大きければ大きい程、GPUが行う画像処理も増えることによって負荷も高くなるためです。
加えて、グラフィックボードもハイエンドや処理能力が高いものを購入する必要もあるため、全体的な購入予算も上がります。また、一般的な24インチから32インチ程度の4Kディスプレイの場合は、多くの情報が表示されるため文字が小さくなります。そのため、作業がしづらくなるといったデメリットも存在します。
一方で、WQHDは4Kと比較した場合、大きい解像度を保ちつつグラフィックボードに負荷をかけないため、画像処理に対する負荷と画面の綺麗さのバランスを兼ね備えているといったメリットがあります。解像度や画素数が低いということは、文字がより鮮明に映りやすいということです。
4Kモニターの場合、書類作成の多い方はあえて解像度を下げるモードに切り替えなければいけません。そのため、機能が活かせないといったデメリットが生じてしまいます。WordやExcelなど、ソフトを使って作業する方はWQHDゲーミングモニターがおすすめです。
WQHDゲーミングモニターの選び方

ここでは、WQHDゲーミングモニターの選び方を解説します。結論として、下記のような選び方です。
- 画面サイズ
- リフレッシュレートと応答速度
- 没入感を求めるなら湾曲モニターもアリ
それぞれ順番に解説します。
画面サイズ
1つ目の選び方は、画面サイズを重要視する選び方です。多くの場合、WQHD解像度の主流なサイズは27インチと言われており、目の疲労も少なく疲れにくいといったサイズです。また、32インチクラスのWQHD解像度でゲームを行う場合は迫力もあるため、文字が大きく表示されて非常に使いやすいといった特徴があります。
しかし、画面サイズが大きすぎる場合は、広範囲に視線を移動しなければ状況が把握できないというデメリットも存在します。特に、FPSやTPSなど動きの激しいゲームは、長時間プレイしていると疲労が溜まりやすくなるため、27インチクラスのモニターが最適と言えるでしょう。
また、27インチモニターの特徴として視線の移動を最小限にしつつ画面全体の状況を把握できるといった特徴があります。そのため、FPSやTPSなどのeスポーツイベントで使用するゲーミングモニターとしても活用できます。一方で、24.5インチ以下のWQHD解像度は、映像に精彩感はあるものの、文字の大きさと画面サイズのバランスが合わないこともあるため、購入する際はしっかり確認をしましょう。
リフレッシュレートと応答速度
次に、リフレッシュレートと応答速度もWQHDゲーミングモニターを選ぶうえでは重要になります。リフレッシュレートとは、簡潔に言うと1秒間に画面を書き換えられる回数のことです。パラパラ漫画と同じ原理で、画面の書き換え回数が多い程なめらかな映像になります。単位はHzで表記され、一般的なゲーミングモニターは144Hzを搭載しています。
そのため、リフレッシュレートが高ければ高いほど映像は滑らかになり、3D酔いしにくくなるため、快適にゲームの操作を行えます。加えて、リフレッシュレートに比例してプレイヤーの反応速度も上がります。そのため、FPSのような対戦ゲームでは、リフレッシュレートが高い方が有利にゲームを進めることが可能です。
一方で、応答速度とは画面の色が切り替わる時にかかる時間のことです。単位はms(ミリ秒=1/1000秒)で表記され、値が小さいほど高性能になります。つまり、色が早く切り替われば残像が少なくなり、対戦ゲームなどでブレのないなめらかな表示になります。
また、リフレッシュレート別に最低限必要な応答速度は、「1000÷リフレッシュレート」で計算できます。1フレーム切り替えに必要な時間を下記にまとめます。
- 60Hz=16.67ms
- 144Hz=6.94ms
- 165Hz=6.06ms
- 240Hz=4.17ms
- 360Hz=2.78ms
これらを踏まえると、なるべく速い応答速度のモニターを選ぶ方が良いと言えるでしょう。しかし、一般的には240Hzに対応できる「4ms」もあれば問題なく快適にゲームを行えます。なぜなら、人間の動体視力は0.2秒 = 200msと言われているため、ほとんどの人は違いを体感できません。
没入感を求めるなら湾曲モニターもアリ
最後に、没入感や視野角を広く求める方は湾曲モニターを選びましょう。湾曲モニターとは、画面の両端が前方に弧を描きながら湾曲しているモニターのことです。従来の平面モニターと比較した場合は、視野角が広く映像への没入感が高いことが魅力の1つと言えるでしょう。
なお、主な製造方法は、「液晶画面をガラスに圧着させた後に画面を曲げる方法」と「あらかじめ曲げたガラスに液晶面を圧着させる方法」の2種類が存在します。湾曲モニターは、従来の平面モニターと比較して製造に高度な技術が必要です。
そのため、湾曲モニターの製造コストや製品価格などは平面モニターと比較して高い傾向になります。しかし、昨今では大量生産によるコスト削減もあるため、低価格で購入できるモデルも登場しています。視野角を広く使用したい方や、映像への没入感を感じたい方は湾曲モニターがおすすめです。
おすすめの27インチWQHDゲーミングモニター

ここからは、おすすめの27インチWQHDゲーミングモニターをご紹介します。結論として、下記のゲーミングモニターです。
- 144HzならKOORUI 27E1Q
- 165HzならASUS TUF Gaming VG27AQ
- 240HzならDell ALIENWARE AW2721D
それぞれ順番に見ていきましょう。
144HzならKOORUI 27E1Q
1つ目は、27インチWQHDゲーミングモニターの「KOORUI 27E1Q」です。価格は29,000円程度で購入でき、リフレッシュレートは144Hzの出力が可能です。「KOORUI 27E1Q」の解像度は「2560×1440」であるため、一般的なモニターのフルHDの「1920x1080」よりも画質が良いといった特徴があります。画面サイズは27インチであるため、FPSやTPSなどのeスポーツイベントで使用するゲーミングモニターとしてもおすすめです。
コスパを重視している方やFPSやTPSなどのシューティングゲームを行う方に「KOORUI 27E1Q」がおすすめです。
165HzならASUS TUF Gaming VG27AQ
2つ目の「TUF Gaming VG27AQ」は、27インチのやや大型なディスプレイを搭載しているゲーミングモニターです。価格は47,000円程度で購入でき、解像度はWQHD「2560×1440」であるため細部までくっきりとした映像を映し出せます。
また、液晶パネルタイプはノングレア(非光沢)で発色や視野角に優れたIPS液晶パネルが採用されており、99% sRGBの広色域を実現しています。コントラスト比は通常1,000:1、応答速度は最大1ms (MPRT)です。
リフレッシュレートは最低144Hzを出力でき、オーバークロック機能によって最大165Hzを出力します。オーバークロック機能とは、定格の最高を上回る周波数で駆動させることです。たとえば、定格で3.5GHzのCPUを4.0GHzで駆動させることを「オーバークロック」と言います。
144Hz/165Hzの高リフレッシュレートによって応答速度が高速になるため、ブレや残像がなくなります。オンライン対戦FPSゲームなどの競技性の高いPCゲームの場合は、対戦相手よりも優位性が高いため、有利にゲームを行えるでしょう。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は、多くのゲーマー向けに作られており、各社から発売されている人気のゲーミングモニターです。競合製品の多いゲーミングモニターの中でもバランスが良い製品と言えます。高いリフレッシュレートを求めている方や、シューティングゲームを主に行う方は「TUF Gaming VG27AQ」を選びましょう。
240HzならDell ALIENWARE AW2721D
最後は、240Hz出力できる「Dell ALIENWARE AW2721D」です。価格は100,000円程度で購入でき、画面の応答速度も非常に速いといったゲーミングモニターになります。画面の応答速度については、「1ms」と標準的なモニターと比較した場合は非常に速いといった特徴があります。動きの激しい動画やゲームでも残像が起こりにくく、スポーツ観戦やアクションゲームなどに特化しているゲーミングモニターです。
なお、「Dell ALIENWARE AW2721D」はフリッカーフリーに対応しているモニターです。そのため、画面のちらつきを抑えることによって目の疲れを軽減したり、長時間作業時に伴う視力の低下を抑えるといった特徴があります。最上級の高リフレッシュレートでゲームを快適に行いたい方や、細かい動きにも反応する応答速度を重視する方は「Dell ALIENWARE AW2721D」がおすすめです。
おすすめの32インチWQHDゲーミングモニター

次は、おすすめの32インチWQHDゲーミングモニターをご紹介します。結論として、下記のゲーミングモニターがおすすめです。
- 165HzならPixio PXC327
- 240HzならLG UltraGear 32GQ850-B
それぞれ順番にご紹介します。
165HzならPixio PXC327
「Pixio PXC327」は、画面サイズが32インチの大型ゲーミングモニターです。価格は40,000円程度で購入でき、リフレッシュレートは165Hzを出力できるため、どのゲームにも対応可能です。また、湾曲ディスプレイであるため従来の平面モニターと比較した場合は、視野角が広いといった特徴があります。そのため、映像への没入感が高く感じられる魅力的なゲーミングモニターです。
加えて、画面の応答速度も「1ms」と動きが激しいゲームにも十分対応できるため、対戦ゲームでは非常に勝ちやすく有利になります。「Pixio PXC327」は低予算で探している方、あるいは大型ゲーミングモニターを求めている方に最もおすすめです。
240HzならLG UltraGear 32GQ850-B
次に、「LG UltraGear 32GQ850-B」は240Hzを出力できる大型ゲーミングモニターです。価格は77,000円〜88,000円程度で購入でき、画面サイズは32インチの大型ゲーミングモニターになります。
「LG UltraGear 32GQ850-B」は、ATW(Advanced True Wide)偏光板を採用しているため、斜めから見た場合でも正確な色合いで表示できるといった特徴があります。そのため、近距離で大画面を見た際は、画面全体を美しい画質で楽しめるでしょう。
加えて、遅延を最小限に抑える「DASモード」にも対応しており、一瞬の遅延が命取りになるFPSゲームに最適なゲーミングモニターです。画質も応答速度も両方求めたい方や、価格と性能が丁度中間のゲーミングモニターがほしい方に最もおすすめです。
おすすめの湾曲WQHDゲーミングモニター

最後は、おすすめの湾曲WQHDゲーミングモニターをご紹介します。結論として、下記のゲーミングモニターです。
- 27インチならPixio PXC277
- 32インチならMSI Optix G32CQ4
それぞれ順番に見ていきましょう。
27インチならPixio PXC277
「Pixio PXC277」は、画面サイズが27インチの湾曲ゲーミングモニターです。
価格は40,000円程度で購入でき、WQHD解像度(2560 x 1440)、リフレッシュレート165Hz、応答速度1msを搭載しています。
また、液晶は明るい部分と暗い部分のコントラストが美しい「VAパネル」を採用しているため、湾曲パネルの効果も加えて高い臨場感と投入感を楽しめます。27インチの湾曲パネルは24インチクラスには味わえない迫力もあるため、フラットパネルよりも優れた没入感を得られます。予算を抑えたい方には最もおすすめです。
32インチならMSI Optix G32CQ4
「MSI Optix G32CQ4」は、画面サイズが32インチの湾曲ゲーミングモニターです。32インチとやや大型画面でありながら、価格は50,000円程度で購入できるため、最もコスパが良いゲーミングモニターになります。最大リフレッシュレートは165Hz、応答速度1msを搭載しており、一般的なフルHDよりも綺麗で表示領域の広いWQHD解像度に対応します。
また、大画面の湾曲パネルを搭載しているため、短い視線の移動で画面全体を見ることができ、圧倒的な没入感を得られるなど、魅力的なゲーミングモニターと言えるでしょう。
まだ一度もゲーミングモニターを購入していない方からライトなゲームファンなど、誰でも使いやすいモニターになります。どれを選べばいいか迷っている方は、「MSI Optix G32CQ4」がおすすめです。
WQHDゲーミングモニターを選ぶ際の注意点

ここでは、WQHDゲーミングモニターを選ぶ際の注意点を解説します。結論として、WQHDで高フレームレートを活用する際は、それなりの性能を搭載しているゲーミングPCが必要です。
理由としては、ゲーミングモニターのリフレッシュレートとゲーミングPCのフレームレートが合っていない場合、「ティアリング」という現象が起きるためです。また、ゲーミングPCやゲーム機などの本体のスペックが力不足だと、「スタッタリング」といった現象も起きます。
「ティアリング」とは、本来なら1枚の画像が表示されるところを、複数の画像が混同してしまい、瞬間的にゲーミングモニター内の映像が左右にズレて見える現象のことです。一方で、「スタッタリング」とはゲーミングモニターの画面が一瞬止まるなど、映像描写がカクカクとしているように見える現象のことです。ゲーミングPCやゲーム機の性能不足で、正しい間隔で映像を出力できない場合に起こります。
これらを踏まえると、ゲーミングモニターを購入する際は、ゲーミングPCのスペックに合わせて購入するようにしましょう。なお、下記の記事にて総合的におすすめのゲーミングPCをご紹介しているため、本記事と併せて参考にしてください。
ゲーミングPC おすすめ(準備中)
記事のポイントのまとめ
本記事では、WQHDゲーミングモニターの概要や選び方、おすすめのWQHDゲーミングモニターを解説しました。
- 画面サイズ
-
27インチあたりが一般的
- リフレッシュレートと応答速度
-
FPSゲームで勝ちたい方向け
応答速度が早いとラグが少なく、ハイリフレッシュレートだと映像がカクつかない
- 没入感を求めるなら
-
湾曲モニター
- 144HzならKOORUI 27E1Q
- 165HzならASUS TUF Gaming VG27AQ
- 240HzならDell ALIENWARE AW2721D
- 165HzならPixio PXC327
- 240HzならLG UltraGear 32GQ850-B
- 27インチならPixio PXC277
- 32インチならMSI Optix G32CQ4
なお、WQHDよりも高解像度を求めたい方は下記の記事にて、4Kの魅力やおすすめのゲーミングPC・モニターについてご紹介しています。そちらもぜひ参考にしてご覧ください。